- いたす
- いたす【致す】(1)そこまで達するようにする。 至らせる。 (ア)心などをある方面に向けて届かせる。
「ふるさとに思いを~・す」「健康に心を~・して励む」(イ)あることが原因となってよくない結果を引き起こす。 「これは私の不徳の~・すところです」(ウ)身や命をささげる。 差し出す。 「危きを見て, 命を~・す処々/太平記26」
〔「いたる」の他動詞〕(2)動詞「する」の待遇表現。 (ア)「する」の謙譲語。 動作者を低めることで聞き手を敬う。 多く下に「ます」を付けて用いる。「準備は一切こちらで~・します」「間もなく係の者が御案内を~・します」「今後とも努力を~・す所存であります」(イ)「する」の丁寧語。 多く下に「ます」を付けて用いる。 「船はまさに岸壁を離れようと~・しておりました」「メロンは, 一個四, 五千円も~・します」「あと一〇分~・しますと, 京都に着きます」(ウ)「する」の尊大語。 上位者が下位者の行為について, 下位者を低めて言う。 「時間がない。 早く~・せ」「これ邪魔を~・すな」
(3)(補助動詞)和語の動詞の連用形やこれに「お」を添えたもの, 漢語サ変動詞の語幹やこれに「御」を添えたものに付いて, 補助動詞「する」の敬語として用いる。 (ア)補助動詞「する」の謙譲語・丁寧語。 多くは下に「ます」を付けて用いる。「お荷物をお持ち~・しましょう」「大事な壺(ツボ)を壊しでも~・しますと大変ですから…」(イ)補助動詞「する」の尊大語。 「早く案内~・せ」「訴えるなり何なり~・すがよい」
‖可能‖ いたせる
Japanese explanatory dictionaries. 2013.